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脊髄小脳変性症とは

小脳および脳幹から脊髄およびこれらに関係する神経路が徐々に破壊していく病気であり、緩徐・進行性に言語障害、 歩行しにくくなる 、手足のふるえたり細かい動作ができない, 体を思うように動かせなくなる などの 運動失調を主な症状とする神経疾患の総称です。
10 万人に約 4 〜 5 人の確率で発症し、 現在,国内での患者数は約2万人程度といわれています。 主に中年以降に発症するケースが多いようです。

小脳

脊髄小脳変性症とは、主に運動失調などの症状を生じる神経変性疾患の総称です。一部に遺伝性の病気であるという研究報告がありますが、発症する原因は現在のところよく分かっていません。脊髄小脳変性症は、約1万人に1人の割合で発症するといわれており、症状が比較的にゆっくり進行していく点に特徴があります。ただし、症状には個人差が大きいので、治療方法も患者によって大きく異なります。

よく見られる症状としては、舌が上手く回らないことにって引き起こされる言語障害、体幹が不安定になることによって生じる歩行障害、腕の震えなどが挙げられます。脊髄小脳変性症については、抜本的な治療法が現在のところ確立されておらず、難病の一つに数えられます。症状を緩和するための処置としては、喋り方の指導や歩行訓練など、主にリハビリによって改善を促します。一部、薬剤による治療も行なわれていますが、効果を得られないケースも多く、あくまで症状の緩和を目的とした処方に限定されています。

脊髄小脳変性症を発症すると、歩行障害のために転倒してしまう患者さんが多く、安全のためにベッドで過ごす時間が増える傾向にあります。しかし、そのことがさらに運動機能の低下を招いてしまう可能性も高いため、専門家による適切な運動指導が望まれます。

脊髄小脳変性症にはいくつかの種類が存在し、それぞれ症状が大きく異なります。例えば、「皮質性小脳萎縮症」や「遺伝性皮質性小脳萎縮症」などは、患者本人には自覚できないほどゆっくりしたペースで進行していきます。対して「オリーブ橋小脳萎縮症」のように、数年でベッドから起き上がることすらできなくなるケースもあります。

脊髄小脳変性症の症状

脊髄小脳変性症で最もよく見られる症状としては、歩行障害が挙げられます。
ただし、症状の程度や進行の早さには個人差が大きく、全く歩けなくなる方もいれば、リハビリによって介助なしの歩行が可能な方もいます。歩行障害が発症すると、転倒によって怪我をするリスクが高まります。
よって、頭部保護帽を着用したり、生活空間に手すりを設けるなどの対応が必要になります。この他、移動用器具としてステッキ、4点杖、車椅子などを使用する方も少なくありません。怪我を恐れてベッドの上で過ごす時間が増えると、ますます運動機能が衰え、結果として障害を重くしてしまう可能性があります。できる限り歩行の習慣を維持するような姿勢が求められます。

口腔内に症状が及ぶと、舌がもつれるなどして言語障害を生じるケースもあります。会話によるコミュニケーションができなくなるほど症状が進行する例は稀ですが、発音が不明瞭になるため、話を聞き取りにくくなるケースは多いようです。対処法としては言語療法が挙げられます。言語療法では、呼吸法、唇・舌などの動きをよくする運動などを通じて、会話に必要な基本能力の維持、向上を目的とします。いわば「話し方を練習する」ためのトレーニングで、専門家による指導はかなり大きな効果を期待できるようです。

脊髄小脳変性症によって言語障害が生じると、会話が億劫になって喋る機会が激減し、その結果としてますます症状が悪化してしまう、という悪循環に陥りがちです。コミュニケーションの機会が減ると、うつ病などを併発するリスクも高まるため、患者さんはできるだけ積極的に話そうとする姿勢が大切になってきます。

脊髄小脳変性症の原因

脊髄小脳変性症を発症する原因については、遺伝によるケースが約4割を占めるといわれています。脊髄小脳変性症を引き起こす遺伝子に関しては、次々に新たな発見がなされており、症状を引き起こす物質(CAG)の特定にまで至っています。将来的には、この物質の発生を抑制することで根本的な治療法が確立される可能性もあり、注目を集めています。遺伝子検査を行うことで診断も可能なので、近親者に脊髄小脳変性症のキャリアがいる場合は早期の検査が推奨されています。

遺伝性のないケースに関しては原因が不明な場合も多いようです。ただし、中には明らかに原因を特定できるケースもあり、例えば飲酒や抗てんかん薬の副作用などが症状を引き起こす可能性もあります。また、ビタミンEの不足や代謝性疾患による発症例も報告されています。飲酒や薬の副作用が原因となっているケースについては、その飲用・服用をやめることで症状の改善が期待できます。一方、ビタミン不足の場合はビタミン剤の服用、代謝疾患の場合は当該の病気を治療することで、いずれも劇的な回復に成功した例が報告されているようです。

このように、原因を特定できるものについては根本的な治療ができる可能性が高く、よって的確な診断による原因特定が強く望まれます。検査基準としては、経過や症状に加え、服用している内服薬、家族歴の有無、血液検査、MRIなどが挙げられます。原因の特定は治療にとって大きなプラスになる可能性が高いので、症状が現れたら早期に神経内科で診断を受けてください。

脊髄小脳変性症と種類

脊髄小脳変性症には様々な種類があります。遺伝性のものが約40パーセントだといわれていますが、いかなる状況においても他人に感染する病気ではありません。遺伝性の脊髄小脳変性症としては、SAC1(発病年齢:20歳~55歳、主な症状:眼振)、SAC3(発症年齢:若年~中年、主な症状:運動失調、筋萎縮)、DRPLA(発症年齢:小児~老年、主な症状:痴呆、筋肉の震え)などが挙げられます。

孤発性(非遺伝性)の脊髄小脳変性症としては、オリーブ橋小脳萎縮症、皮質性小脳萎縮症などが挙げられます。オリーブ橋小脳萎縮症は日本において最もよく見られる脊髄小脳変性症であり、中年以降に発病する例が多いようです。初期症状としては、歩行のふらつき、手の震えなどが生じ、さらに症状が進行すると、起立性低血圧、発汗障害、排尿障害など、自律神経の障害を併発します。オリーブ橋小脳萎縮症は症状の進行が早く、数年で寝たきりになる患者さんも少なくないといわれています。 対して、同じ非遺伝性の脊髄小脳変性症でも、皮質性小脳萎縮症は症状の進行が緩やかで、発病も中年以降のケースが多いため、大きな障害を生じることなく人生を全うされる患者さんが多い点に特徴があります。

このように、脊髄小脳変性症は病型によって症状、進行の度合い大きな差があるのが特徴で、さらに個人差によっても症状・改善策は異なります。いずれの病型についても根本的な治療法は発見されていませんが、症状を改善するためには的確な診断が必要とされます。

脊髄小脳変性症と遺伝

非遺伝性に発症する場合と遺伝性に発症する場合の2通りがあります。

① 非遺伝性

  • オリーブ橋小脳萎縮症( OPCA )・・・小脳性運動失調を主徴とする多系統萎縮症 の1つで 主に中年以降に発病します。日本では脊髄小脳変性症のなかで、最も多い病型です。運動失調や起立性低血圧、排尿障害、便秘などの自律神経症状や動作緩慢、筋戸固縮などのパーキンソン症状が起こります。
  • 皮質性小脳萎縮症・・・中年以降に発病します。小脳症のみ変性が起こります。小脳性運動失調がおこりをパーキンソ症状や自律神経症状が現れることは、ほとんどありませんが、体幹の不安定性、上肢や頭部のふるえ、ゆっくりとした不明瞭な話し方などの症状がおこります。
  • Shy-Drager 症候群 ・・・多系統萎縮症の1つで 、 自律神経症状を主な症状とし始まり、言語障害、書字障害、歩行障害などの小脳症状や筋固縮、振戦、動作緩慢などの錐体外路症状も進行とともに起こります。

② 遺伝性

常染色体優性遺伝

  • Menzel 型 ・・・小脳性運動失調の他、眼球運動障害、パーキンソン症状、自律神経症状、錐体路症状、筋萎縮など伴う。
  • Holmes 型 ・・・眼振が認められ、歩行障害、構音障害など小脳失調を現わします。小脳性運動失調が主な症状です。
  • Machado-Joseph 病 ・・・若年発症が多く、歩行障害などの小脳性運動失調が最初の症状でその後、特有の筋緊張異常を起こすジストニア、錐体路徴候、眼球運動障害が出現してきます。
  • 歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症 ・・・発症年齢はさまざまで、小脳性運動失調自分の意志に反して運動を行う不随意運動で不規則で非律動的に動いてしまう舞踏運動や舞踏運動よりもゆっくりで持続的で長く不規則な不随運動のアテトーゼ様運動、痙攣、筋肉の一部が急激に不規則に収縮するミオクローヌス、や知能低下などをおこす。
  • 遺伝性痙性対麻痺・・・下肢の痙縮(突っ張り歩行)で発症し、小脳失、筋萎縮、眼振、網膜色素変性、精神発達遅滞などの症状を合併することがあります。

劣性遺伝

  • Friedreich 失調症( FRDA ) ・・・10歳までに歩行障害で発症します。後索性運動失調や下肢に強い深部知覚障害を生じ、目を閉じると体のバランスが悪くなり、動揺が強くなるロンベルグ徴候や足の甲が高くなる凹足や母趾の先が屈曲したハンマー状の変形や構音障害、末梢神経障害、心筋症、脊柱側弯症などを呈する。
  • ビタミンE単独欠乏性失調症・・・肝臓内のビタミン E を輸送するタンパク質が欠損してビタミン E が細胞に運ばれないので、そのため運動失調、筋力低下、感覚異常などの神経・筋症状がおこる。

脊髄小脳変性症の予後

早めの治療をお勧めします

皮質性のケースとオリーブ橋小脳萎縮症

脊髄小脳変性症の予後には個人差が大きいといわれています。また、病型によっても予後が大きく異なり、症状の進行にもかなりの幅があるようです。
例えば、小脳症状のみで経過する型であるとされる皮質性のケースについては、病状の進行が非常に遅く、生命予後(余命など命にかかわる予測)にもほとんど影響しないといわれています。一方で、オリーブ橋小脳萎縮症については、発病後は数年で急速に病状が悪化する例もあって、呼吸器感染症や尿路感染症のリスクが高まることから生命予後も大きく悪化する可能性が高いようです。

発症年齢と予後

予後を考えるうえでは発症年齢も重要です。たとえ進行の遅い病型であっても、若年で発症すると数十年かけて徐々に症状が悪化していき、日常生活に大きな支障をきたす例が多くなります。
対して、高齢で発症すると、ほとんど症状を自覚しないままに一生を終える、ということも考えられるわけです。

日常的な取り組み次第で予後が良くなる

また、脊髄小脳変性症の予後については、患者の生活環境による影響も指摘されています。リハビリなど積極的に治療に取り組んだ場合と、日常的にベッド上で安静にしていた場合とでは、同じ病状であっても予後には大きな差が生じます。
脊髄小脳変性症を発症している患者については、治療に取り組む姿勢が予後を良くも悪くもするのだということを認識しておく必要があるでしょう。根本的な治療は困難でも、日常的な取り組み次第で予後が良くなるということは覚えておいてください。

脊髄小脳変性症友の会とは

脊髄小脳変性症友の会は1977年に設立された非営利団体(NPO)で、脊髄小脳変性症、あるいは多系統萎縮症の患者、そしてその家族の交流を目的として運営されています。患者同士のコミュニケーションや情報交換の場として、全国的な規模で活動を行なっており、日本国内に約1700名の会員がいます。

具体的な活動としては、会報の発行、講演会などイベントの実施、医療相談の受付などを行なっています。一方で、医療機関とも積極的に連携を図り、治療法の確立に向けて様々な働きかけを実施しています。顧問には研究者、医療従事者、大学教授などが名を連ね、専門的な知見から友の会の運営に尽力しているようです。患者の立場からは、様々な形で情報提供を受けることができますから、脊髄小脳変性症を発症している方(あるいはその家族)には加入をおすすめします。

年会費は3600円、入会金は不要です。また、患者や医療関係者でなくても、会の目的に賛同している人物であれば自由に入会することが可能です。会費は脊髄小脳変性症の治療に活用されますから、寄付の目的を兼ねて入会される方も多いようです。

脊髄小脳変性症のような難病の治療に際しては、患者やその家族のコミュニケーションが非常に有効だといわれています。事実、闘病や介護における心理的なストレス、不安、そして悩みを、交流会をはじめとするイベントで解消している方は少なくありません。ぜひ加入をご検討ください。

【総院長 二宮診療スケジュール】

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