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多系統萎縮症とは

多系統萎縮症とは、主に運動機能に障害を生じる原因不明の難病です。「線条体黒質変性症」、「オリーブ橋小脳萎縮症」、「シャイ・ドレーガー症候群」の三種類からなり、それぞれ症状や治療法、予後などが異なります(この三つの病気の総称が「多系統萎縮症」です)。いずれのケースにおいても現在のところ根本的な治療法は確立されておらず、発病した場合は対処療法による症状の緩和(病状の進行を遅らせる)を図る必要があります。鍼灸治療は症状の除去・緩和に非常に有効です。

数万人に一人が発病する珍しい病気で、男性は女性と比べて約二倍の発病率があるといわれています。発病の平均年齢は53歳、生命予後は10年程度の例が多いようですが、近年徐々に改善されています。

多系統萎縮症の症状

多系統萎縮症の症状は、病気の種類によって異なります。

「線条体黒質変性症」の場合は、動作に時間がかかるようになる動作緩慢、筋肉がかたくなる筋固縮、および体の震えなど、パーキンソン病に類似した症状が見られます。
ただし、パーキンソン病の治療薬はこうした症状に効果を発揮しない例が多く、「薬が効きにくい」という特徴があります。震えの症状はパーキンソン病と比べて軽度の症例が多く、症状は体の左右で均等に出る例が多いようです。症状が進行すると歩行障害、言語障害などが見られるようになりますが、知能に関する障害はあまり見られません。

「オリーブ橋小脳萎縮症」においては、体のバランス感覚が失われる症状や、四肢の失調(痺れや震え、思うように動かせないといった症状)、呂律が回らないといった症状が見られます。多系統萎縮症として診断される場合もあります。

「シャイ・ドレーガー症候群」の場合は、立ちくらみや失神、排尿障害などの自律神経障害を発症するケースが多く、便秘、インポテンス、発汗異常なども比較的よく見られます。また、排尿障害から生じる膀胱炎などの尿路感染症を発症する患者さんが多く、そのことが原因で発熱する例が多いとされています。あわせて体温調節が難しくなるため、抗生物質による治療、寝具を薄くする、部屋の温度を下げる、などの日常的な取り組みが必要になります。

ちなみに、病状は三種類が混在して進行する例も多く、悪化に伴い上記の三疾患は区別が付きにくくなる傾向があります。ですので、これらの3疾患は多系統萎縮症として診断される場合がほとんどです。

多系統萎縮症の予後

リハビリに対する取り組みが重要です

多系統萎縮症の予後は不良で、類似した症状を生じるパーキンソン病と比べても、悪化するスピードが早いケースが多いようです。発病後、10年以内に死亡する例が少なくありませんが、生存期間には徐々に改善されています(個人差もありますし、各病型によっても多少予後が異なります) 。
ただ、機能予後の見通しは深刻な症例が大半で、発病後数年で寝たきりの状態になる患者さんも珍しくありません。生活の質の向上、臥床による運動機能の低下を防ぐためにも、理学療法、リハビリに対する取り組みが重要です。

自律神経障害に対しては投薬による治療を重点的に行い、呼吸機能の低下などによる突然死を予防することで経過の改善を図ることが可能です。症状が進行し呼吸機能に障害があらわれた場合には、気管切開の手術によって呼吸を助ける処置が講じられることもあります。

多系統萎縮症の生命予後を改善するためには、特に突然死を予防することが重要だといわれています。多系統萎縮症の症状が悪化すると、睡眠中に声帯が狭くなる現象(声帯開大不全)がよく見られます。他覚症状としては大きな「いびき」が出現し、その度合が患者さんの呼吸状態を知る一つの目安となります(血中の酸素濃度を計測することで客観的なデータを得ることも可能)。
この他、むせにより引き起こされる肺炎や窒息が致命的な原因となることもあるため、末期の患者さんについては24時間体制のモニタリング、手厚い看護が求められるケースが多いようです。

多系統萎縮症の注意点

多系統萎縮症を発症した患者さんについては、日常的なレベルでいくつかの点を注意喚起しなくてはなりません。症状が進行し運動機能の低下が見られるようになると、転倒のリスクが高まります。特に階段の上り下りの際には大きな危険を伴うので、必ず介助を得て移動することを心がけてください。手先や足先の動きに異常が見られる場合は、車の運転も控えなくてはなりません。

食事に関しては、嚥下障害を生じるケースが多いため、できるだけ時間をかけて食べることを心がける必要があります。メニューに関しては、飲み込みやすいもの、便秘などの症状を予防・緩和するために食物繊維の多いものを選ぶようにします。食生活については、症状の進行に応じて適時、医師からアドバイスを仰ぐことをおすすめします。自律神経障害により、排尿に関するトラブル(尿が出にくい、失禁など)を生じることがあります。利尿剤の処方を受けるなどして対応してください。

闘病中は、病気に対する不安から抑うつ状態に陥る患者さんも少なくありません。必要に応じて抗うつ薬や抗不安薬を服用した方がよいでしょう。言語障害を生じると、他人とのコミュニケーションが困難になるケースもあります。口頭でのコミュニケーションが難しい患者さんについては、文字盤を使用したり、専用の機器を用いるなどして、できるだけ意志を疎通する試みを行なってください。家族や友人とのコミュニケーションを諦めてしまうと、患者さんは孤立感を深め、精神衛生上に大きな悪影響が懸念されます。

多系統萎縮症とパーキンソン病の類似性と違い

症状の発症・進行に違いが見られます

多系統萎縮症を発症すると、パーキンソン病によく似た症状があらわれる患者さんが多いようです。パーキンソン病は神経伝達物質の一つであるドーパミンの減少によって生じる病気で、日本国内だけでも10万人以上の患者さんが存在する比較的ポピュラーな病気です。主な症状としては手足の震え、歩行障害その他の運動障害、便秘や立ちくらみ、睡眠障害、抑うつなどが挙げられます。

多系統萎縮症においては、とりわけ「線条体黒質変性症」の病型に類似の症状が見られ、治療法もパーキンソン病に準じた手段が有効だといわれています。ただし、病状が悪化しているケースではパーキンソン病の治療薬が効果を発揮しないケースも多く、病状の進行も多系統萎縮症の方がかなり早いといわれています。また、パーキンソン病が体の片側から症状が始まり、他の部位へ進行するのに対して、多系統萎縮症の場合は左右均等に症状が発症・進行する点にも違いが見られます。

しかしながら、発病年齢(ともに中高年の男性に多い)、症状が類似しているため、両者はしばしば誤診されるケースもあるようです。いずれも難病ではありますが、パーキンソン病については有効な治療薬があること、症状の進行が遅いことなどから、生命予後(余命)にはほとんど影響を及ぼしません。多系統萎縮症の患者さんが発病後は数年で寝たきりになり、10年以内に死亡する例が多いことを考えると、両者は似て非なるものということができるかもしれません。

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土曜日 月島治療院 03-3531-1233

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難病鍼灸治療
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